什の掟(じゅうのおきて)

こんにちは!
仮り暮らしの徳永です。

今回のお題は「什の掟(じゅうのおきて)」です。

福島県会津若松にて、まだ会津藩と呼ばれていた時代に存在したものです。昔、徳永が中学2年生の時、修学旅行の一環で白虎隊について調べた時に知りました。

白虎隊、とりわけ飯盛山での集団自害で有名な士中二番隊は、16歳から17歳、あと本当は15歳なのに志願の際に生年月日を改めた一部の男子で構成されたものです。

什の掟とは?

以下、福島県会津若松市にある「會津藩校 日新館」という所のHPからの引用です。掟はこれだけではなく、その集まり独自のものがあったりもしたそうです。

同じ町に住む六歳から九歳までの藩士の子供たちは、十人前後で集まりをつくっていました。この集まりのことを会津藩では「什 (じゅう)」と呼び、そのうちの年長者が一人什長(座長)となりました。

毎日順番に、什の仲間のいずれかの家に集まり、什長が次のような「お話」を一つひとつみんなに申し聞かせ、すべてのお話が終わると、昨日から今日にかけて「お話」に背いた者がいなかったかどうかの反省会を行いました。

一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです

6歳から9歳までの子どもが、毎日、これらの掟を守れたかどうかについて反省会を行い、背いたものに対してはペナルティがあったと言われています。今の日本の学校現場に復活させたいくらい立派なものですよね。

*ペナルティについては「會津藩校 日新館」という所のHPをご覧になってください。

*ちなみに、会津藩の男子は10歳になると藩校日新館に入学するきまりになっていたそうです。そこから白虎隊士になっていったとか。

現代の日本では厳しすぎる?

さて。たしかに難しいものもありますが、次に挙げるものは十分に通用すると思っています。まぁ、最後のについては現代ではさほど細かく言うことじゃないかもしれません。

一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです

特に「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」「弱い者をいぢめてはなりませぬ」、それからもう1つ、「ならぬことはならぬものです」は、すごく大事なものですよね。

ならぬことはならぬものです

理屈じゃありません。ダメなものはダメなんです。「どうしていじめをしちゃいけないの?」「どうして人を殺しちゃいけないの?」とか、言いますよね。理屈じゃないんです。

もっと簡単にして、例えば、ライターやマッチ棒での火遊びについて考えてみましょうか。なんで子どもは火遊びをしちゃいけないんですかね。

燃え移って危ないから?じゃあ事前に砂利など燃えにくいものを敷いて近くに水で満杯のバケツを置いて、石組みやコンクリートでできた壁の間際でなら、やっていいんですか?

煙が出るから?じゃあ河原とか広くて周囲に人が少ない所でやるならいいんでしょうか。

怪我をするから?じゃあチャッカマンとかで怪我しないようにすれば、やっていいんですかね。

周りの子が真似をするから?大人に叱られるから?じゃあ隠れてやればいいじゃないですか。

迷惑をかけるからでしょうか。じゃあ迷惑が掛からないところでやるのはどうでしょうか。

どれもこれも、理由をつけると「ああ言えばこう言う」の状態です。じゃあそれを解決すればやっていいことになるじゃない、ということになります。

理屈じゃなく、やっちゃダメなことはあるものだと、子どものうちから教えるのって大事だと思います。

 

それでは、今回はこの辺で。
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