こんにちは。仮り暮らし代表の徳永です。
長文ですが、修正を重ねながら代表挨拶として自分の気持ちを文章に起こしました。
最後までご覧いただけますと幸いです。
私は現在は普通の会社員ですが、高校生の頃から子どもにかかわる仕事がしたいと思っていたので、保育系の短大を出ました。子どもを取り巻く環境には人よりも興味を持っています。
ただ、昨今耳にする「家出した少女が事件に巻き込まれた」というニュースについては、世の中の大多数の人が思うことと同じことを思ってました。「へぇそうなんだ、かわいそう」「自分から行ったのなら自業自得じゃん」などです。
とはいえやはり子どもに関わることですから、なぜか他人事には思えなくて、どうしたらこういう事件が減るのかなと漠然と思ってはいました。結局、自分から何かをしようとは微塵も思いませんでしたが。
実は、かつての私は将来のことを「このまま普通に会社員をして普通に定年を迎えて、あぁもしかしたら結婚とかするのかな、老後は東南アジアでのんびり年金暮らしもいいなぁ」とか考えていたのです。
しかしながら、2015年11月、それまでの考えが変わる出来事が起こります。
仮り暮らしを立ち上げようと思ったきっかけ
私には2歳下の妹「A」がいますが、Aが姉妹喧嘩をきっかけに蒸発したのです。
母が警察に届けるも、「成人なので積極的な捜索はしない。パトロール中に発見しても、本人が居場所を告げることを拒んだ場合、個人情報保護のため親御さんであっても居場所を伝えることができない」と言われました。
私の考えは、成人した人間が自ら考え望んで実行したことは第三者の意見は聞き入れられないものだから心配いらない、いずれ結果が分かるというものです。
ところが、母は気持ちを整理することができませんでした。
以上が、仮り暮らしを立ち上げようと思ったきっかけです。
家出児童の気持ちを受け入れたい
この活動を始めたとして、はたして需要はあるのか?と考えたとき、ふと気づきました。
虐待を受けている、ネグレクト(育児放棄)を受けている、といった「家にいると危機的状況にさらされる」子どもたちを保護する場所はたくさんあります。
しかし、「親と喧嘩した」「家族とウマが合わない」 「家にいたくない」というのが理由の場合は、受け入れてくれる施設がほとんど無いのです。
2018年現在、スマートフォンや高性能ポータブルゲーム機が市民権を獲得し、もはや持ってない方が少数派です。コンビニや駅、カフェといった場所で、誰もが簡単に行ける場所で無料でいつでもインターネットにアクセスすることができます。
だからこそ、私は「家にいたくない」「家出したい」という気持ちに共感できるのです。だからこそ、彼女たちが被害に遭う前に助けたいのです。
職に就けない人たちを応援したい
*ここでは、職 = 正社員職としてお話します。
私は保育系短大の出ですから、児童福祉施設についても勉強しました。するとそこには、「保護できるのは原則18歳まで。それ以降は退所させる」というルールがあったのです。
いやいや18歳までって。つい先日高校を卒業した子に、卒業おめでとう!これからは自立だね、とか。当人からしたら、一人暮らしができるというわくわく感があるかもしれませんが、それよりも不安の方が大きいと思います。
そこで私は、「職員として彼らを雇い、資格やスキル獲得の援助をし、自立に向けてサポートするのはどうか」と考えました。
居場所が無い人たちの拠り所を作りたい
当初は児童保護施設を巣立った若者を受け入れようという思いだけでしたが、徐々に「居場所が無い」のは大人にも当てはまるのでは、と考えるようになりました。「孤独」「中学生が自殺 いじめか」という文字が目に付くからです。
リストラされた、会社を辞めたが転職に失敗した、仕事が上手くいかない、人間関係が上手くいかない、そもそも身を置ける場所が無い、などなど、背景はその人の分だけあります。
そのような方々は、常に「明日の不安」を抱えます。「収入が無い = いつかは家を追い出される」「この生活から抜け出せないんじゃないか」「もういっそ、地球が滅べばいい。明日なんぞ来なくていい」と。
そうやって過ごしながら自己肯定感を取り戻すことで、その人の何かが変わるかもしれない。それをサポートできるようになりたい。そうしていつか、前を向いて歩けるようになってほしい。そう願っています。
ご一読いただきありがとうございました。